目次
妊娠の時期ごとの胎児への影響
妊娠4週から7週まで
妊娠を望んでいる場合、そろそろ生理の遅れや妊娠検査薬で妊娠がわかってくる頃です。また、妊娠5週~6週頃になるとつわりが始まる人もいます。
この時期は胎児の器官が作られ始める器官形成期と呼ばれるとても大切な時期です。この時期は絶対過敏期とも言われ、奇形などのリスクが最も高い時期でもあります。薬の他にも催奇形因子として、放射線や高血糖、風疹などもその原因となります。
妊娠8週から15週まで
この頃になるとほとんどの人は妊娠がわかり、母子手帳をもらうなど妊婦さんとして実感が沸いてきているのではないでしょうか。まだ妊娠初期の時期でお腹はあまり目立たないことが多いですが、体の中ではどんどん赤ちゃんは成長し、胎盤も作られていきます。
この時期には胎児の重要な器官の形成は終わっているため、妊娠4週から7週の頃に比べると奇形のリスクは下がります。ですが外性器や口蓋などが形成される時期であり、薬によっては奇形を起こす原因となります。
妊娠16週から分娩まで
妊娠16週になると胎盤が完成しいわゆる安定期と呼ばれる時期に入ります。つわりもおさまっている人が多く、安定期は1番リラックスして過ごせる時期でしょう。
妊娠28週以降は妊娠後期と呼ばれ、見た目にも誰がみても妊婦さんとわかるぐらいになってきます。この頃になると胎動も力強くなり、赤ちゃんもどんどん大きくなり出産が近づいていることが実感できるのではないでしょうか。
妊娠16週を過ぎると薬剤の胎児への影響は、催奇形性よりも胎児毒性の方が大きくなります。この胎児毒性とは、奇形は示さないものの胎児の臓器機能や発育そのものに障害を与えることを言います。また、妊娠16週以降は胎盤を介して薬剤が胎児へ影響します。
妊娠中に避けたい薬、服用を気をつけたい薬
飲む薬に迷ったらまずは医師や薬剤師に相談しよう

まず妊娠中に風疹や麻疹、水痘やポリオなどの生ワクチンは打たないようにしてください。インフルエンザなどの不活化ワクチンであれば妊娠中でも問題はないと言われています。
妊娠中に避けたい薬の一例としては妊娠4週~15週までの時期では、催奇形の原因ともなるリバビリンやエトレチナート、ワルファリンなどがあります。
妊娠16週以降ではロキソニンなどのNSAIDsや経口血糖降下剤、ワルファリンなども胎盤を通過し胎児に影響を与えることがあるため原則妊娠中は服用しません。
この他にも妊娠中に飲んではいけない薬や避けておいた方がよい薬はあります。ですが持病がある妊婦さんなどは、その薬を飲むことで起こる赤ちゃんへの影響とママの疾患の状態などを考えながら、薬のコントロールを行うこともあります。
もちろん妊娠中に飲める薬もあるので何か薬が必要になった時は必ず医師に相談し、妊娠中でも飲める薬を処方してもらうのが安心でしょう。
漢方薬や市販の薬、サプリメントの服用は大丈夫?
自己判断は禁物!用法用量を守って使用しましょう

妊娠中は飲めない薬もあるけれど漢方薬ならどれでも大丈夫!というのは間違いです。もちろん妊娠中でも飲める漢方薬はありますが、中には妊婦さんは飲めないものもあります。市販の薬も同様で飲めるものから飲めないものまで様々です。
また、サプリメントなら大丈夫と思いがちですがサプリメントも注意が必要です。サプリメントの中には葉酸のように妊娠初期に積極的に摂取した方がよいものもあります。ですがビタミンAは過剰に摂取すると胎児の水頭症や口蓋裂などの催奇形の原因となる恐れもあります。
さらに、塗り薬や湿布などにも注意が必要です。湿布は成分によっては血管を収縮させ胎児に影響が出るものもあります。また、塗り薬の場合も必ず医師に処方してもらい用量を守って使用する必要があります。
これらのものを飲んだり使用したりする時は自己判断はせず、医師や薬剤師、あるいはサプリメントの場合は栄養士などに相談をしてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?妊娠中に薬を使うのはなんだか不安という人も多いですよね。ですが無理しすぎてママの体調が悪くなるのもよくないです。妊娠中でも安全に使えるものもあるので、体調が悪くて辛い時は無理せずかかりつけの医師に相談をしてくださいね。
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